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大人向けの描写を含みます


甘い誤解+二つの熱=重なる想い


                             
色方程式


アスランの手を離れた赤いリボンが小さな音を立ててベッドの上へと落ちた。
そして感じる軽い衝撃。ぐらついた自分の体に、咄嗟に目を瞑って身を固くしたが、いくら待っても痛みはカガリを襲ってこない。そっと目を開くと、クリーム色のベッドシーツが目の前に広がっていた。背を押されたのだという事に気がつくのには数秒を要した。人間の重みで未だ僅かに揺れるベッドの上でカガリはむくりと上半身を起こすと、自分を見て目を細めている男を睨み付けた。

「いきなり何するんだ!びっくりするじゃないか」



とんと背を押すと華奢な体はとさりとベッドに倒れ込んだ。
スプリングが音を立ててカガリの体を受け止めると、少しの間があってカガリの上半身がシーツから離れた。振り返ったカガリの、きつい眼差しと共に発せられた言葉に、いつものように笑って応じようとしたアスランだったが、見下ろしたカガリの姿に思わずこくりと唾を飲み込んだ。
カガリの乱れたスカートの裾は大胆に捲れ、少女の白い太股を惜しげもなくアスランに晒している。視線に気がついたカガリが慌てて裾を正すが、ベッド上でのその仕草は、本人にその気が無いにせよ、男を誘う毒にしかならなかった。実際、笑みを浮かべる表情はそのままだが、アスランの体は実に正直に反応を示し出す。甘い痺れが身体中から下肢に集中する。放課後の学校ならば抑えも効いたかもしれないが、自分の家の、それも二人だけの部屋の中ではこの疼きを止める事は最早不可能だった。


湧き上がる衝動に逆らう事無く、ぎしりと音を立てベッドに上がると、後ろから一回り小さな体を抱きしめる。良い香りのする金髪をそっと除け、その向こうに隠れていたうなじに唇を寄せた。触れ合った場所からカガリの緊張が伝わってきて知らず笑みが漏れる。薄い皮膚はふわりと揺れる吐息にも敏感で、カガリは擽ったそうに体を揺する。しかし、大きな手が後ろからスカートとブラウスの間から中に侵入しようとすると短い悲鳴のような声を上げて首を振った。
「やっ・・・だ!やめっ」
カガリの制止の声を聞きながらもアスランの手は動きを止めず、服の中に入り込み、腰部を撫で上げ、乳房を覆う布地の上から、ぴんと立ち上がった頂点をカリカリと引っ掻いた。決して強くはない愛撫に、むず痒い感覚がカガリを支配する。足の間がぬかるみ始めているのが自分で判ってしまって、これ以上どうにかなるまいと胸を弄るアスランの手を掴んだ。
「・・・・嫌?本当に?」
アスランはからかいを含んだ声で囁くと、ちらりと視線を下に落とし、右手をスカートの中に忍び込ませた。カガリが足を閉じるより早く下着の上からその中心に軽く触れると、そこは布地の上からでも湿り気を帯びているのが分かる程になっていた。言葉とは裏腹の、カガリの体の高まりにアスランも嬉しくなる。

「やだ、待てってば!そ、それに、リボン!」
それでもまだ抗おうとするカガリに苦笑するしかない。
全く。強情なのは昔から変わらないな。
拒絶の言葉を発しながらも、カガリが本気で嫌がっていないのは確かだった。もし本気で嫌ならば、めちゃくちゃに暴れて、ついでに鳩尾や下半身に数発お見舞いして腕の中から是が非でも逃げ出す筈。きっとこの期に及んでリボンを気にするのは、自分がここに来た目的を出す事で自分を保とうとしているからだろう。
―ならばそんな事を考えられなくなるするまでだ。
獰猛さ、稚気な感情、色々なものが綯い交ぜになる心がそう判断を下す。
視界の端にリボンを捉えると、一旦手を止めて目の前のハニーブロンドに顔をうずめた。

「取って・・・いいよ?」
取れるならば、と口に出さず付け加える。
アスランからの言葉にカガリは一瞬固まったが、少しするともぞもぞと体を動かし始めた。それを見たアスランは体重を掛けてカガリの上に圧し掛かる。驚いて小さく声を上げるカガリの、チェックのスカートの中に今一度右手を突っ込むと、熱くなっている溝に沿って軽く爪を立てる。何度かカリカリと、引っ掻くように動かすと、カガリの体がかくかくと震え出した。


少し手を伸ばせば届く距離にあるリボンがやけに遠い。
伸ばそうとした手でシーツを掴んで、カガリはせり上がって来る塊を熱い息へと変えた。
この・・・性根悪のハツカネズミ!
そう言って毒づいてやりたいのに、口を開いたら変な声しか出てこない。その間にも不埒な左の手はレースで縁取られたブラジャーをたくし上げて、直に柔らかな胸を包み込んだ。面白い位に自分の手の中で形を変える乳房を可愛がれば、掌に感じる、つんと立ち上がった頂の固さ。それを指で挟んで摘み上げ、絶えず新たな刺激を与える。すると女性の香りのする一点から、じわりと蜜が溢れて下着を濡らす。布越しでも花弁の形が分かるそこに直接触れたいと、アスランは誘われるように隙間から指を滑り込ませた。


アスランの器用な指が自分の中で蠢くのを、焼き切れそうな羞恥心を抱えて感じ入る。耳に届くのは、自分が生み出した水を掻きまわされる音と、それから脈打つ心臓の鼓動。耳を塞ぎたい衝動に駆られるが、シーツを握り締めておかなければ意識を快楽に侵食されてしまう気がした。

「すごい・・・どんどん零れてくる」
「だ・・・からっ。そんな事言うな、て」
意味を成さなくなった下着はアスランによって脱がされてどこかへ放りなげられる。その行方を追う間もなく、固くなったアスランが蜜壷に近づいてきて、入り口に先端を宛がうとそこで軽く上下させた。
「ひ!あぁ・・・んっ」
悪戯に秘珠にも擦り付けられて、背筋がぞわぞわする。中心が戦慄いて新たな蜜を吐き出した。そして意思に関係なく腰が揺らめいてしまう。それを是と取ったのか、アスランは乱れた制服に手をかけ、スカートもブラウスも、カガリが身に着けていた物全て取り払った。うつ伏せに近い状態で攻め立てていた、しなやかで柔らかい身体をベッドに横たえて、その上に覆いかぶさると、触れるだけの口付けを繰り返してカガリの身体から余計な力が抜けるのを待った。漸く解放されたカガリの口から気だるげな息が零れると、ゆっくりとした動きでカガリの中に身を沈め始めた。全部を埋め込むと、きゅうきゅうとアスランを締め付ける内壁に包まれる。
はあ、と一つ息を吐くと、目を瞑って震える少女を見下ろした。



抱くたびに思う。いつの間にこんなに女になったのだろう、と。
数年前は、ただ元気の塊のような小さな女の子だったのに、その記憶が遠い過去のものとして霞む程、こちらがはっとする表情を度々するようになった。学生の今でさえこうなのだから、これから大人になってゆく過程でどれだけの男が彼女に惹き付けられるか。それはまるで甘い砂糖菓子に群がる蟻の様だ。今のままでも彼女は充分甘いのに。
一度ぎりぎりまで自身を後退して一気に奥まで突いた。強い衝撃にカガリの喉が仰け反る。
「あっ!ふ・・・ぅ!!」
外気に晒された背にカガリの腕が回され、背骨のラインを辿って首にしがみつく。無意識の内の手の動きですら官能的だった。
「アス・・・ラァン」
―伸ばされた腕の求めるのは俺だけで良い。


この腕に抱かれるたびに思う。もしも自分が彼の幼馴染の妹でなかったら。こうしてアスランと熱を分け合うのは別の人だったのではないか、と。
もっと大人で、アスランの隣に並んでも見劣りしない美しいヒトと一緒にいたのだろうか。
今でもどうしてアスランが自分を選んでくれたのか分からないのだ。子供くささが全然抜けなくて、小さい時にはアスランに迷惑もいっぱいかけた。今だって抱きしめられても固まるだけで、可愛らしい言葉の一つも言えない。
けど。欲張りかもしれないが願ってしまう。
「カガリ・・・」
―形の良い唇から紡がれる名は、これからもずっと私であってほしい。

しがみついてくる力より更に強い力でカガリを抱きしめて、すぐ其処まで近づいている果てを惜しく思いながら、アスランは一層激しくカガリを味わう。

二人、白に弾ける瞬間に願った祈りは同じだった。




余談ではあるが、この日の翌日、ベッドの下を見たカガリが皺のついてしまった制服のスカートを見つけて、アスランに激怒した事をここに付け加えておこう。



幼馴染で、教師と教え子で、恋人である二人の混色方程式、これにておしまい。


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80,000ヒット御礼アフター話

「勇者は魔王に美味しく頂かれてしまいました(完)」




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