瞳
何気なく手に取ったファッション雑誌
普段は興味の湧かないそれのある記事にふと目が留まった。
「『異性の体で一番好きな部分』?」
それはよくある読者アンケートの結果集計記事。
こんなの調べて何かの役に立つのか、と首を捻りながらもぱらぱらとページを捲る。
女性から見た男性の体・・・
アスランの体で一番好きな部分?
女の私がたまに遣る瀬無くなる程に綺麗な顔
そんな事あいつに言うと甘ったるく「カガリのほうが可愛い」とか言うけど
長くて細い指
でも女の指ともまた違っていて、あの指で髪を梳かれるとくすぐったいけどとても安心する
細身なのに筋肉のついた腕とか背中
そういえば胸板とかも意外に厚くて・・・
抱きしめられた時に自分との違いにすごく驚いた
そういうことを思い出してるとそれに付随した恥ずかしい記憶達も出てきてしまう。
アスランの体を間近で見ている状況を思い出し、カガリは一人赤面した。
切なげに伏せている長い睫
素肌に感じるアスランの感触
だめだだめだ、思い出すな!!
これ以上は絶対に思い出すな、私!!
「思いだすなって何を?」
「うわぁ!」
背後からいきなりアスランの声がしてびくっと肩を震わせた。
気が付けばすぐ側にアスランが来ていて楽しそうに私を見ている。
アスランはこうやってたまに気配を消して近寄ってくるから心臓に悪い。
「お、お前いつからそこにいたんだよ」
「カガリがだめだだめだって頭抱えてた時からかな」
「・・・黙って見てるなんて性格悪いぞ」
頬をむくれさせて非難するが効果はないようで。
後ろから私を抱きしめるアスランがくすくすと笑うのが背中から感じとれた。
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