地球軍のボアズ侵攻、そして核によるボアズ壊滅の報を受けたアークエンジェル、エターナル、クサナギ

三隻はさらなる悲劇を食い止めるために最後の戦いに身を投じることを決めた
 

 

 


クサナギではM1アストレイのパイロットであるアサギ、ジュリ、マユラの三人
そしてストライクルージュで初陣に挑むカガリがパイロットスーツに袖を通していた。



シンとした空間にひどく張り詰めたものを感じる。


誰もが無言で着替えを進める。
一番先に着替え終えたカガリは、ヘルメットを手に取りドックに向かおうと歩き出した。



と、後ろでロッカーを閉める音。


「君は俺が守る、かぁ」

 

ごとん

 


思わず手に持っていたヘルメットを落としてしまう。
驚き後ろを振り返ると、後ずさりしたくなるくらいの笑顔をこちらに向けている三人が居た。
顔は笑っているが、目が完全に獲物を追う肉食動物のそれだ。



「な、なんでお前ら…」



驚きと恥ずかしさのあまり上手く喋れない。
でも三人には十分すぎるほど伝わったようだ。


「だって〜、あんな場所でラブシーン始められちゃったら」

「見るなって言う方がおかしいわよね〜!」

「しかも相手あのアスランさんだし」

 

見られていたことへの羞恥心と、あの時の状況のフラッシュバックで顔が林檎のように赤くなる。
きゃらきゃらと楽しそうに笑う友人を恨めしそうな目で睨んだ。

自分はこういった類の話はすごく苦手なのだが、逆にこの三人娘はこの手の話が半端じゃなく好きだ。
どうにかしてこの場から逃げ去りたい、と切実に願うのだがジュリ達がそう易々と解放してくれる訳もなく…。


逆に本人を目の前にして言いたい放題だ。


「でもアスランさんってば、この猪娘のどこが良かったのかしら?」

「おい!!

「さあねぇ、保護欲をそそられるとことかじゃない?ほら、カガリ様ってお子ちゃまだから」

「お前ら!!

「あんた、それって褒めてんの?」

「ん〜、微妙?」

「い〜かげんにしろ!!


顔から湯気を立てながらも肩を怒らせ怒鳴る。
カガリは真剣に怒っているのだが、慣れた三人にしてみればそれもからかう要素の一つ。
純粋で素直だから、からかうとストレートな反応が返ってきて楽しいことこの上ない。
からかう相手が異性にまったく興味を持たなかった我らが『姫』なのだから尚更。


「こっわ〜い。そんな顔してるとせっかく捕まえた彼氏に逃げられちゃいますよぉ」

「そうだカガリ様、この戦争を終わらせたら一緒に買い物行きましょう」

「そうね、勝負下着買わなくちゃ」

「いつものアンダーウェアじゃアスランさんも脱がし甲斐ないだろうし」

「ぬ!!脱がし…!!

 

直接的な表現にカガリはもはや言葉も出てこない。
ただひたすら顔を赤らめ、口をパクパクさせるだけ。

そんな初心な反応をもっと楽しんでいたかったが、第一戦闘配備を告げる音が船内に響き渡る。


一瞬にして表情をパイロットのものに変えた少女らはヘルメットを取りデッキに向かった。

お互いの顔を見て、軽く拳をぶつけ合う。

 

「頼りにしてますよ、ルーキー殿」

「任せろ」

「私たちだってカガリ様を守りますからね」

「頼りにしてるぞ」

「終わったらアスランさんとの馴れ初めを…」

「絶対嫌だ!」

 

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